年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 夕方退勤して直ぐさまドラッグストアに向かう。判定薬を探して店内をさ迷う。だってそんなものを買うなんて思いもしなかったから場所なんて覚えていない。仕方なく店員さんに尋ねると、こちらです、と案内された。何種類もあってどれがいいのか分からず、私はパッケージの違う3つ程手にして会計を済ませた。早足で駅に行き電車に乗り込む。降りた後も急ぎ足でアパートに向かった。

 息が切れる。このくらいでハアハアするなんてことは無かった。少し目眩もする。フラフラしながら鍵を開け、トイレに駆け込んだ。とりあえず一つの箱を開け、ザッと説明書を確認する。棒状の白いプラスチックを持ち、尿を掛ける。


「水平になるように置き、終了のラインが……へ??」


 水平にする間もなく小さな検査窓に赤い線がくっきりと浮かび上がる。

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