年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

 そういえば、あのデパートで由也くんは綿菓子にも同じようなことをしてた。隣から顔を覗き込み、キス出来そうなくらいまで顔を近付けた。ポップの縁で綿菓子の指に重ね合わせた。まるでデートに行くみたいに自分の車を出して。ああ、そうだった、社内恋愛から始めてるんだった。そうやって由也くんは小さな策略を練って綿菓子を口説くんだ……。


「どうしたの、綾香さん。急に黙り込んで」
「由也くんが虐めるから。うぇーん」
「ごめんなさい。からかい過ぎましたね」


 由也くんはそう言って私を抱き上げ、寝室に連れていく。虐めた分、優しくします、と私をベッドに下ろし服を脱がせていく。きっと同じ台詞を綿菓子にも吐くんだろう、同じ愛撫を施すんだろう……。そんなことを考えながら由也くんの動きに身を任せた。







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