年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

「だから先輩」
「何」
「鎌谷さんの方が絶対いいですよお。エリートでもお金持ちでもないですけど」
「あんたね……」
「くん付けって、パトロンは年下ですかあ?」
「あ、うん」
「ますます気をつけてくださいね♪ 年下彼は射程範囲が広いですからあ」
「由也くんは広くない」
「そおですかあ? 年下彼ってその年下の女の子も寄ってくるから、先輩なんてオバサンですよお。あ、先輩はとっくにオバサンでしたね」
「ほっとけ」


 そんな馬鹿な話をしながら特売のクッキーを摘む。きっと私なんて特売で出されても手に取る人間はいないかもしれない、考え直すなら今だと思う。鎌谷は悪い奴じゃないのは分かっている。でも私は彩乃みたいに自分のためだと割り切って結婚なんて出来ない。それにもう、鎌谷には甘えないと決めたんだからと自分に言い聞かせた。









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