年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 退勤後、スーパーで買い物をする。本当なら今頃、ウキウキとスキップしながら結婚情報誌を買い求めに行ったに違いない。由也くんにプロポーズされてご両親への挨拶はどっちが先かとか場所とか服装とかチェックしていただろうか。


「ピーマン、パイナップル、豚肉、っと」


 式はいつにするとか同居とか別居とか、仕事はいつ辞めるとか考えてただろうか。


「白玉粉……大袋しかないのかな」


 白玉粉なんて買っても余る。由也くんが好きだからたまに作るくらいで。


「でも最後だし、ええいっ」


 バサっとカゴに落とし入れる。残ったら自分で食べればいい。何も黒蜜きな粉でなくたって小豆とか味噌汁に入れたっていい。


「……」


 そしたら白玉を作る度に由也くんを思い出すんだろうな、私……。それもいいか、そういう切ないのもたまには。

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