年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)


「ななな何してるんだーっ!」


 私の悲鳴と鎌谷の怒鳴り声に目が覚めて階下から様子を見に来たらしい。二人はズカズカと部屋内に入る。鎌谷は慌てて私から離れた。


「父ちゃんはお前をそんなふうに育てた覚えは無い!」
「な、何もしてねえよっ」
「ど、吃るのは、う、嘘ついてる証拠だ!」
「と、父ちゃんこそ吃ってるだろ」
「と、父ちゃんの場合は年齢によるものだ!」
「母さん内緒であんたのエロ本捨てたからオカズが欲しかったのね」
「母ちゃんいつの話してんだよ、中学生じゃあるまいし」
「オカズなら父ちゃん新作DVD持って……ゴホン!」
「お父さんいつの間に」


 相変わらず噛み合わない会話に吹き出しそうになるけど、それは鎌谷家の暗黙の気遣いなんだと思った。鎌谷の母親は新しいパジャマをタンスから出して着替えを促した。鎌谷も父親も私が着替えるのを知って部屋から出ていく。
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