年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)

「綾香ちゃん、彼氏とうまくいってないって、あの子が言ってたけど」


 事情を話せば辞めろと言われるに決まってる、そう思うと口が動かなかった。


「……」
「喋りたくなければ無理しないでいいよ」
「すみません」
「ううん。いやさ、綾香ちゃんの人生だから悔いのないようにとは思うよ。ただ……」
「ただ?」
「うん。もっと自分を大切にしなさい。せっかく生まれてきたんだからね」


 母親はそう言うと、ぽんっ、と私の背中を叩いた。





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