年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 後ろ髪を引かれる思いで私はホテルまでの道を歩いた。ホテルに着いてエレベーターに乗り、カードに表示された階数ボタンを押す。


「客室層、最上階っぽい……」


 加速度が落ちてエレベーターの扉が開き、降りて部屋を探す。廊下の絨毯もフカフカしている、天井の照明もアンティークなシャンデリア風。ドアとドアの感覚がやけに長い。その分部屋も広いんだろう。
 部屋を見つけて開錠する。中に入れば広々リビングがあった。小さなバーカウンターもあって、スイートのようだった。


「わ……」


 奥の大きな窓からは夜景が見える。まるで私を待ち構えていたかのように煌めいていた。吸い寄せられて窓辺に行く。足元の方にはさっき見たイルミネーション、一際輝いている。私は部屋の明かりもつけないまましばらく夜景を眺めていた。

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