年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 翌朝、ルームサービスを取り朝食を済ます。コーヒーを飲んでからピルを取り出した。このピルを飲むのもあと何回だろう。年末年始のアラスカ旅行を終えて由也くんと別れるまであと10日。そしたら副作用からも避妊からも解放される。


「綾香さんも幸せになってください。鎌谷さんならきっと……」
「カマとは結婚しない」


 由也くんは少し驚いた顔をした。東京にいたら由也くんを思い出す。鉄塔を見る度、スマ乳商品を見る度に由也くんの顔が浮かぶ。ましてや今の会社にいたら否応なしにスマ乳の情報は入って来るし、会社を辞めても鎌谷と一緒にいれば同じだ。鎌谷を見る度に由也くんを思い出す。


「実家に帰ってお見合いでもしてさ、玉の輿に乗るから心配しないで。ははは~」
「綾香さん……」

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