続・溺愛協奏曲  蓮と莉子の甘々な日々
第8章
どれくらい時間がたったんだろう



あたしと蓮はその場に立ち尽くしたままで・・・



あたしはその後に発する蓮の言葉を身を固くして待っていた



「莉子・・・・ここで話すのもなんだからこっち来い」




蓮はそう一言言うとあたしの手を引っ張って近くの公園へと入って行く



あれ・・・・?ここって蓮と初めて逢った公園だ




なんだか懐かしくてあたしは辺りをぐるりと見渡した



公園の中では数人の小学生が遊具やサッカーなんかで遊んでいる



あたしと蓮は子供たちの声が響き渡る中静かにベンチへと腰を下ろした




すると目の前をベビーカーを押したお母さんが横切って行く




ベビーカーに乗せられた赤ちゃんが急に泣きだすとお母さんはすかさず抱き上げて赤ちゃんを
あやし始めた




あたしは黙ってその光景を見つめていた




お母さんも・・・・・あたしのお母さんもああやってあたしのこと抱っこしてくれた時があったのかな




赤ちゃんだったあたしのことあやしてくれたりしたのかな




なんであたしのことを捨てたんだろ・・・・ふいにそんなことを思って答えの出ない問いにあたしは溜息をついた
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