続・溺愛協奏曲  蓮と莉子の甘々な日々
「蓮・・・・その赤ちゃん今どうしてるの?」




あたしがそう尋ねると蓮は溜息をついて空を見上げた



その瞳は辛そうで今にも泣き出しそうだった



「連れてったあと赤ん坊の心臓に重大な疾患がみつかったらしくて一歳を待たずして看病のかいなく呆気なく死んでしまったらしい・・・・」




そ・・・そんな・・・死んだなんて!



死んでしまったなんて!



あたしの血を分けたたったひとりの弟を見ることが出来なかったなんて・・・・




そんなの・・・そんなの酷過ぎるよ




弟がかわいそすぎるよ




蓮はあたしが泣いているのがわかるとそっと肩を抱き寄せる



涙がとめどなく流れて・・・顔も見ることなく天国に行ってしまった弟が哀れで仕方なかった




蓮の心臓の鼓動を聞きながら話を続ける蓮の言葉にじっと耳を傾けた




「移植をしないと生きられないくらい悪かったみてえだ・・・・その後航さんからお前の母さんに連絡がいったらしいんだけどそれを聞いた莉恵さん、生きる屍みたいになっちまったらしい・・・・なにも口にしないし水すら飲まなくなってぼーっと一点だけを見つめて過ごしてて
見かねた航さんが自分の病院に連れていって今現在も入院してる・・・・」




お母さん・・・・精神が壊れるくらいショックを受けたお母さん・・・



今お母さんは何を思っているんだろう、その瞳には何が写っているんだろう



日が暮れてきた公園で枯れることのない涙を再び流すとあたしは静かにそっと俯いた
< 99 / 341 >

この作品をシェア

pagetop