赤糸~新撰組の飼いがらす~
彼は仕事のとき以外、どこから連れてきたのか、いつも犬を抱いていた。
犬に向ける笑顔は無邪気そのもので、とても恐れられる新撰組の一員だとは思えない。
土方とその彼は、特に言葉を交わしたことは無かった。
なのに何故、どうしてこうも胸が苦しくなってしまうのだろう。
土方は誰にともなく、心の内で問いかけた。
「守ってやれなくて…すまない」
溢れだしそうになる涙を必死でこらえ、二度と動ない体に両手を合わせる。