赤糸~新撰組の飼いがらす~
土方の声に気づいたのか、総司はチラリと土方に視線を向け、そして微かに顔を歪めた。
壁に背を打ちつけた痛みに歪めたというよりは、土方に情けない姿を見られたためのように思えた。
しばらく体を動かせなかった土方が我にかえり、慌てて総司に駆け寄る。
総司がゲホゲホと、激しく咳き込む。
「総司、しっかりしろ!一体なにがあったんだ!」
「ちょっ、土方さん煩いです。耳元で怒鳴らないでくださいよ」
呆れたように苦笑する沖田総司。
それは、無理して強がっているようにも感じられた。