赤糸~新撰組の飼いがらす~
それにしても、何故『やつ』は突然姿を現わしたりしたのだろうか。
今までなら、まずあり得ないこと。
あちらが用心深く情報を洩らしたりしなかったからこそ、こちらは探し出すことに苦労したのだ。
まさか、自分たちへの宣戦布告――?
数えきれないほどの疑問を頭に浮かべたまま、土方は重い腰を上げ、数名の隊士たちを引き連れ屯所を飛び出した。
その日は、ひどく寒々しく、
純白の雪が、ひらひらと舞っていた…。