キス中毒
Kiss Kiss Kiss


「イケメンって興味ない」



かっこよく言えばそう。
ホントのこと言うと、やっぱりコワいじゃない。


仕事も出来て、見目も良し。
よく気も利いて、会話も上手い。


女なんて腐る程寄ってくるに決まってる。


危険だわー。コワいコワい。
そんな同僚、仕事のパートナーとしてだけで十分。


たまに一緒に飲みにいって馬鹿言って、終了。
それが一番平和でしょ。


遠すぎず近すぎずがちょうど良い。


そう、思ってたのに。



「ほら。ちゃんと口開けて」



どうして、私はこの男に顔を捕まえられて。
唇を指で撫でられているのだろう。


既に散々湿らされた唇は、するりと指を滑らせて
それがまた、欲情を煽るのかゾクリと背筋を這い上がる快感に目を細めた。


嬉しそうに、弧を描く唇がまた近づいて、重なる。


ただの同僚だったはずの男は、二人で残業になるたびに私を捕まえキスをする。
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