それでも僕は君を離さない
「笹尾くん、オフィスに来て。」

久保主任の声がラボに響いた。

「午後のミーティングで必要な資材があるの。悪いけどこのリストのものを急ぎで取りに行ってもらえないかしら?」

「はい。」

「あなたでなくても手薄な人でも構わないわ。」

「大丈夫です。」

「ありがとう。」

主任はPCの画面に目を戻した。

俺は資材室へ向かった。

奈々はいるだろうか。

< 84 / 126 >

この作品をシェア

pagetop