歪んだ愛しさ故に
「これ、昨日あなたに頼まれてたもの。足りない資料いっぱいあったけど、全部やっておいたよ」
「……」
浜野さんは、ぽかんと口を開いたまま何も言えないようで、それだけ言うとあたしも自分の席へと戻った。
「豊田さん」
それからしばらくして、背後から呼ばれる名前。
振り返ったそこには、
「……上沢さん」
「ランチ、行こっか」
「……はい」
誰もが驚く中、一人だけ分かり切っていたように含み笑いをする彼がいて……
少しだけ悩んだけど、その誘いを受けることにした。