歪んだ愛しさ故に
 
「……っ…」


最終的な答えにたどり着いた瞬間、
つんざくほどの痛みと苦しみが胸を襲って、
自然と涙がこみ上げてきた。


「あーさみぃ……」


人の気も知らずに、彼は部屋に戻ってきた。


こみ上げてきた涙は、
身動きが取れないあたしの瞼の横を流れ落ちていき……



「琴音……?」



それに気づいた上沢さんが、
不思議そうにあたしの名を呼んだ。



「何泣いてんだよ」

「……」



起きていたことがバレるのが嫌で
その言葉にも一瞬の反応も漏らさない。

上沢さんはあたしが寝ていると思い込んで、そっとその涙を指でぬぐった。



「どんな夢見てんの……?」



そう言った声が
怖いくらい優しくて

必死に抑えている涙腺が、さらに緩みそうになった。
 
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