歪んだ愛しさ故に
 
「………意外だね」
「何が」
「拓がそんなこと言うの」


その意味は、
きっとあたしが、いつか子供を身ごもった時のことで……。


「……お前とのなら、いいなって思っただけ」

「……」


照れもせず、そんなことを言ってくる彼は
多分、根っからの女たらしなんだと思う。



「ねえ、あたしたちっていつから付き合っているのでしょう?」

「あ?」



ふと思った言葉。

拓は「何言ってんの?」的な呆れた眼差しをあたしに向けて……





「んなの、

 あのコンビニで逢ったあの日からだろ」





分かり切っていたその言葉で

答えてくれた。
 

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