歪んだ愛しさ故に
やっぱり……。
と心の中でため息をついた。
二人が今日あたしを誘った理由。
それは一つしかない。
金曜日の帰り、上沢さんと一緒に飲んでいたであろう二人。
そのまま一緒に帰ると思いきや、あたしの姿を見つけた上沢さんは、あたしと二人でタクシーに乗り込んで帰ってしまった。
一緒に帰るなんて光景を目の前でされたら
気になって仕方がないんだろう。
「金曜日?何が?」
あえてとぼけてみると
「ほら……。
えっと……上沢さんと一緒に帰ったでしょ?タクシーで」
今度はとぼけられないよう、ストレートに言われた。
もしここで、あたしと上沢さんの関係を話してしまったら
この二人はどうなるだろう……。
そんなことは目に見えていたので、
「べつに。
どうもこうも、一緒に帰って、家の前で降りただけだよ」
「あ……ほんと?
何かあったり……しないの?」
「何かって?」
「あ、ううん!
それならいいの!」
あたしの返事を聞いて、二人は心底ほっとした顔つきをしていた。