ラブレターを貴方に


「ごめん。手紙貰った時、内容ですぐにわかったんだ。それに、ずっと高橋さんを好きな事、俺知ってたから」

「知ってた……?」

「二宮さんが、高橋さんを見ていたように、俺も二宮さんを見ていたから。だから……ごめん」

丁寧に頭を下げる高橋君。

そんな彼に、私も、思わず頭を下げた。

「私こそ、ごめんね!ちゃんと、言い出せなくて、何か、本当にごめんね……」



――――この日から、呆気なく私達の関係は終わった。



毎日、ベッドに寝転がり、やりとりしたメールも、突然の誘いの電話も、パタリと途絶えた。

日曜日に見せたいものがあると言った、待ち合わせ場所のメールだけを残して。



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