お姫様と若頭様。【完】
「なんであんたはそっちにつくわけ?」
そう舞闇に聞いた國館の表情は
黒炎副総長、つまり"族"のもので、
学校で女を引っ掛けてるあいつとは
似ても似つかなかった。
確かに紅蓮が彩狼(こちら)側につくのは
不自然だ。
一応今は休戦協定結んでいるとは言え、
敵同士なんだ。
それを助けるだなんて、普通するか?
「良き敵(ライバル)を他の奴が潰す?
…ふざけんなよ?
彩狼を潰せるのは、
潰していいのは、
俺たちだけなんだよ」
…きっと敵わない。
こいつの本気はこんなもんじゃなくて、
まだまだこいつの強さは分からない。
今まで俺らが世界№1と
互角にやり合えてたのは、
総長の不参加が原因だ。
俺らもそんな彩狼に不利にならない様に
総長の俺が参加しなかった。
それでもきっと、
この総長がいるのといないのじゃ、
比にならない。
瞬殺だってされかねない。
こんなので"良き敵"と
言えるのだろうか?