お姫様と若頭様。【完】

Take9


【楪side】


正直彩狼が負けるだなんて
これっぽっちも思っちゃいねぇよ。





…もう少し早く私が決断出来ていたら
こんなことにはならなかったの?














周りを見渡せば、
たくさんの倒れている人。


赤司組や黒炎の者も多いけど、
やっぱり何人かは彩狼もいて…。







聖ちゃんだってそうだ。


私がもっと早く来て助けていたら、
あんな怖い思いをすることなかった。



聡さんには
いつもお世話になっているのに、
私は恩を仇で返している気がする。



情けなさ過ぎて、本当に私なんかが
紅蓮の総長で良いのかと疑問に思う。




…いや、きっとダメなんだ。



紅蓮にとっても
私なんかが総長なのは良くない。





それでも皆を守りたいし、
皆の"盾"になれるのなら、

私はいつだって皆の前に立つ。

























私に紅蓮に入る様に言ったのは
聡さんたちだ。


聡さんたちの次の次の代が私たち。


聡さんたちの指名で、
私たちは幹部になった。


私たちの1つ上の代が
聡さんたちの代の幹部に、
次の代の幹部の指名を託した。


そして私たちが指名された。



聡さんの為に、
私は紅蓮の総長を最後までやり切る。


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