お姫様と若頭様。【完】


誰よりも信用出来るのは自分自身だ。


友達も、俺の両親も、決して俺自身を
見てくれることなんてなかったから。



彼らが見てるのは、
俺に着いて回る"ブランド"



例えば"神原"と言う名前や地位。


俺の家は神原財閥と言う
管原の下にあるまあまあ大きな財閥。

そしてそこの長男ーつまり跡取り。



また外から狙われない為に
神原であることを隠していても、

どうやらこの顔で
女は寄って来るようだ。


正直俺は顔なんてそうでもないと思って
いるのだが、女には受けがいいらしい。


そして俺は神原に恥じないよう、
勉強も運動も1番に。

尚且つキャラを作って
誰にでも信頼される真面目な良い奴に。


人当たりがよく、気配りが出来て、
区別することなく誰にでも優しい。


…全然俺の性格じゃねぇよ。




まぁそれが拍車をかけてか、
女はそれらを求め幾らでも寄って来た。



…正直ウザイったらない。



それでも家の為だと
何度も自分に言い聞かせて来た。



…幼い頃から俺は言われて来たんだ。


貴方は神原なんだから、
それに相応しい人で有りなさい、と。



それに今まで1度だって逆らったことは
なくて、ここに生まれて来た以上、
それが当たり前なのだと思っていた。














…正直少しの不満はあったけれど、
それさえ除けば何不自由なくて。




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