お姫様と若頭様。【完】
皆があまりに優しくしてくれるから、
私は忘れていたんだ。
私が峯ヶ濱だってこと
私はとてつもなく汚い人間であること
きっと皆は私を軽蔑するよね。
そんな女近くに寄って欲しくないよね。
…わかってるからもう。
ずっとずっと忘れたことはなかった。
私が誰よりもそれを理解して、
誰よりもそれを重く見ていた。
なのに皆と一緒にいたら、
そう思うことさえなくなった。
皆といることは私に大きな影響を及ぼし
そして、私を壊した。
彼ら以上に暖かな存在を、
私は見たことがなかった。