お姫様と若頭様。【完】



余裕そうな赤司の顔に
段々とイライラが募る。




「…何もしないって約束、
するつもりないから」


「おおっと、そりゃお互い様だろ?


俺はお前のこと、これでも女として
見てるんだからよ。

でもお前は俺のこと
敵として見てんだろ?


お前に手なんて出してみろ。

俺の顔は一生元の顔で
太陽を拝めなくなるからよ」


そう言う赤司は本当に最悪な奴のくせに
顔だけは一丁前だ。


…まぁ世に言うイケメン。

コワモテ系だろうか?


自分でもその自覚やっぱりあんのか。




「…ここでこれ言うと自分がどうなるか
なんて想像出来るけど、

あんたが契約を破らない限り
あんたに手を出すつもりはない。


あれ以外のことは口出ししない。


私は真実を知りたいだけ」



きっと後悔なんて、
するに決まっているから。



だったらもういっそ、
開き直って前見るしかないでしょ。



「へぇ〜変わった姫さんだな。


唯一紅蓮と直接関わった女だけある。




約束は絶対に守ってやるよ。

じゃなきゃどうなるかわかんねぇし?」


そうおちゃらけたように
言うこいつも、
真実を語ってくれるなら許せる。






きっと良くも悪くも私の望む答えを
持っていると思うから。







「共犯、ね。あんたと私」



仲間だなんて言うつもりないから。



だからあんたと私は"共犯者"


< 321 / 371 >

この作品をシェア

pagetop