プリンセスと5人のナイト!?

カラフル頭美形軍団。


そして今日、私は真城さんから鍵を受け取り、新居までやって来た。


「スゴぉーい…」


真城荘があれだけボロボロだったから全く期待していなかった…のに。

新居は超デカくて、超綺麗だった。


「何で真城荘はあんなにボロボロだったのよ…」


1人でブツブツと文句を言いながら玄関の鍵を開ける。

カチャカチャとドアノブを回すと…開いた。

……って、当たり前か。


「お、お邪魔しまーす」


本当は今日から私の家でもあるから、もっと堂々としてていいんだけどね、ドキドキするよ!


家の中を見渡すといくつか部屋があって、玄関に一番近い部屋には、ピンクの看板に ゛誠 ゛と書いてあった。


誠ちゃんかぁ…


どんな女の子なんだろう!


そんな事を思いながらもリビングへ向かう。

でも…そこで異変に気が付いた。


家の中を進んで行く度に漂ってくる臭…ううん。芳しい匂い。


その匂いは、リビングの前まで行くと、より一層キツくなる。


そしてリビングのドアを開けると…


「な、何よ、これ…」


そこはまさにゴミ屋敷。


食べかけのお菓子の袋やコンビニ弁当のゴミ。

真っ黒な靴下に、黄ばんだシャツ。

汚い…、

今までこんな所で生活してたの?

私には無理だわ…

ゴミを掻き分けてキッチンまで進む。

…まぁ、予想はしてたけどスゴい量の洗いもの。

三角コーナーは…言葉にできません。



「そ、そうだ…私の部屋…」



此処がこれだけ汚いのなら、他の所はどうなっているの…?


私の部屋は使ってなかったはずだから綺麗であってほしい!


私は急いでリビングを出て、真城さんに教えて貰った自分の部屋へと向かう。


でも、向かう途中で浴室らしき所が目にはいった。

浴室はどうなのかしら…

まさか、お湯をいれたらゴキブリがうじゃうじゃ出てくるんじゃ!?


ガラガラッ


勇気を出して扉を開けたが…私は扉の向こう側にいた人を見て、フリーズ。


その人も私を見てフリーズ。


「…………」


「…………」



その人は、お風呂上がりなのか上半身は裸。


目は大きい。髪はピンク。肌は白い。
顔は…超美形。


私はそこで正気を取り戻して…



「「ギャァァァァァーッ!」」


お互いに叫びあった。


バタンッと扉を閉めて自分を落ち着かせる。


何、あの生き物は!?

あれは男!?男なの!?

目は大きいし髪はピンクだし肌は白いし、イケメンだし!!

何より女の私が見ても…超可愛いっ!



私が頭の中を高速で整理していたら、扉の向こうから声がした。


「そ、蒼空ぁー!
泥棒が、変態が、不細工がいるよーっっ!」


声も可愛いのね…。

じゃなくて!ちょっと待ってよ?

泥棒?変態?不細工!?

最後の不細工はともかく…ツッコミ所満載ですけど!?


「ちょぉーっと待ったぁ!
私は泥棒でも変態でも不細工でも…ないっつーの!」


私は再び扉を開けて、言葉遣いなんて気にならないくらいに叫んだ。

扉の向こうにいた可愛い人は一瞬ヒッと引きっつた顔をしたが、私に負けじと「蒼空ー!蒼空ー!」ってずっと叫んでる。

涙目で。

さっきから、蒼空って誰よ?

この家にはまだ美形くんがいるのか!?


「んだよ、うるせぇな……って、誰だお前。」


私の背後から低くて透き通った声が聞こえた。


その声が聞こえると同時に可愛い人の顔がパアッと明るくなる。


…やっぱり可愛いっ!


私も、可愛い人を横目で見つつ、後ろに振り向く。


そこには…これまたイケメンな茶髪くんが眉間にシワを寄せて私を睨んでおられました。
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