奏デルハ喰血ノ調ベ


圧倒的な恐怖を前にして、
体はすっかり目に見えない鎖に
拘束されてしまった。


悲鳴すら出て来ない。

ただただ、吐息の様なかすれ声が出るばかりだ。


モンスターの表情なんて
分からない。

だけどわたしには、確かに笑っている様に見えた。


獲物を前にして、喜んでいるようにも見えるし

やっぱり嘲笑なのかもしれない。







……ん? 獲物?







(──獲物がわたし、なんて事は……)



!!
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