キミのイタズラに涙する。


「アイツはさ……いっつも人のことを考えるやつだったから

言わなかったんだろうな」


ポタポタと涙がこぼれ落ちる。


迷惑かけていいって言ったのに

頼ってほしいって言ったのに


優しい彼はいつまでも、優しい彼だった。


「満くん……っ私……

隆平がいない世界で生きていける気がしないよ……」


私の部屋は思い出で溢れてる。


だけど一歩外に出てしまったらそこは

隆平はいなくなってしまったんだという現実の世界をつきつけられる。


「きっと無理だよ……」


もうきっと笑えない。


もうきっと楽しいって思えない。


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