先輩×後輩
「俊くんっ!」


マンションの前には本当に俊くんがいた。


「さくら先輩っ!」


あたしは思いきり俊くんに抱きついた。


「わっ!!」

「ごめっ…」

その勢いで、俊くんが倒れた

「もう…さくら先輩電話してもシカトするんだもん」

「ごめんね…」

「大丈夫だけどっ♪ねぇ…先輩聞いてくれる?」


きっと今からする話は婚約のことだ…


あたしは静かに頷いた。



「俺、正直悩んでる」


それは、あたしと萌華さんどっちを選ぶかってこと…?


「俺の親父が勤めてる会社の社長が萌華の父親なんだよ。
だから、俺の親父は婚約の話が出たとき断れなかったんだって…」


俊くんの声は震えていた。
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