SWEETPAIN~冷たい旦那サマは副社長~
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俺はエレベーターホールに向かって歩いて行く。



全面硝子に見える薄い靄のかかった東京の摩天楼。


「おっ!?蓮人」



広報宣伝部に所属する兄貴が歩み寄って来た。


「兄貴も幹部フロアに用?」


「俺は今度の新しいCMの絵コンテを見せに…社長室に居た」


兄貴は既に部長の役職を手に入れていた。


「お前は親父に用か?」


「まぁな」


「…お前の結婚相手、妹になったらしいな」


「母さんから訊いたのか?」



「…美華のヤツの友人の友人の知り合いらしく、美華に似て巨乳らしいじゃん」

美華…彼女は兄貴の妻。
父親は530年続く華道・氷見流緑川派の家元。若い頃、家元はこの会社の営業マンとして働いていた。



「俺は胸の大きい女は嫌いなんだ。兄貴と一緒にするな」



「…お前、まだ…美華のコトを??」






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