SWEETPAIN~冷たい旦那サマは副社長~
『ダメだ』と言っても蓮人さんは止まらなかった。



「いってくるよ」



「いってらしゃい」




彼は革靴を履いたかと思えば、振り返って私の腰を抱き寄せる。




「…またですか…起きてから、もう3回キスしてますけど…」



「俺のキスは嫌いか?麻友」




「嫌いでは…」




「俺も嫌いじゃない…」



蓮人さんは私の唇に唇を寄せた。私は、彼の爽快なフレグランスの匂いに包まれ、瞳を閉じる。




「消えていないね…」



「えっ?」



蓮人さんは私の首筋の赤い痣を見つめる。



痣は赤い花の花弁のように見えるけど、この痣は蓮人さんの唇の痕。



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