SWEETPAIN~冷たい旦那サマは副社長~
白い光沢のある生地のウエディングドレスに身を包んだ麻友が俺の隣に立つ。




主役の二人が揃い、挙式が始まった。



式はスムーズに進行して指輪の交換を終える。



俺と麻友は共に向かい合い誓いのキス。




考えてみれば、俺達はキスすらも交わしていない。誓いのキスが初めてのキスになる。



余りにもピュア過ぎて心の中で笑ってしまった。









冷静な顔しながらも心臓はバクバクしてどうしようもない。



俺はおそるおそる麻友のベールを上げていく。



麻友の瞳は涙で少し潤んでいた。不意に出された麻友の反則技に胸がドキッとした。


心臓に悪いぞ。


その上、身体の奥底に秘められた男の欲望が煽られていく。



俺は不謹慎な思いを抱き、瞳を閉じる麻友の顔に顔を近づけた。


―――――俺達は初めてのキスを公衆の面前で交わす。



今まで交わしたキスと違って神聖なキスで、俺の唇も全身も震えてしまった。



神を欺いた罪に怯えていたのかもしれない。





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