みつばちとはちみつ


そうだ…冷やかしは おさまったけど
くうのファンは 相変わらず 多い。

声をかけるまでは しなくても、くうを
影から見つめる男は たくさんいる…

主将も その1人。体育祭後の練習で
俺の肩を ぐっと掴み、

「梶さんを・・大切にしろ・・」と、何かを 堪えながら一言だけ、言った。

その後 普通に接してくれてるけど、確かに デートしたさに休んだりしたら…

何より くうが怒るよな…


…じゃあ、いつ できるんだ〜!



「コウ君?ヒロは?」

「お、くうちゃん。珍しいね、こっち
まで来るの。エミも一緒? ヒロ、あそこ
・・なんか 苦悶してるみたい。」

「・・本当だ・・・変な宗教の踊りしてるみたいに なってる・・ヒロって変。」

「あははははっ!変って!くうちゃん、
彼氏でしょ。あははっ」


ん?くうちゃんって 聞こえた!コウの声
の方を見ると…


「くう!」

「ヒロ。」


教室まで 来る事なんか滅多にないのに!やっぱり くうも さみしかったのかぁ!


「朝、お弁当渡し忘れてた!」


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