御主人様のお申し付け通りに
身体をひっくり返えされて、そのまま押し倒された。

「もっと優しくできないの?」

「優しくされたいわけ?この俺に」

イチイチ言い返してきやがるな、コイツ。

「お風呂入ってないのに…」

永田はそんな私の言葉は一切無視。

せっせと、私の身体を撫で回していた。

「やだよぉ、恥ずかしい…」

やだとか、恥ずかしいとか言うと、すぐ男って反応すんだよね。

バカ単純なんだから。

「…んっ?…恥ずかしいだと…嘘つくな…」

「ホントだよぉ…」

嘘だけど。

「どこが恥ずかしいって?」

ほらほら、わざわざどこかって確認すんだから…クックックッ(笑)

何が、捨てられたペットだ。

おまえがワンコかニャンコだろ?

私の頬に自分の頬をスルスリさせて。

今度は鼻先を私の鼻先にスリスリさせて。

…チュッ…

キスをする。

チュッ…チュッ…

「んっ…うぅ…」

チュッ…チュッ…

「んっ…」

そして、深いキスへと変わっていく。

私はしっかりと抱かれている。

硬いロープで、ギュッと締め付けられてるみたい。

「…目を閉じないで…俺見てよ…」

「うん…」

私は永田の顔を見つめながら、舌先を絡めていた。

仕事から疲れて帰って来て、夕飯前に永田の欲求の相手して…ヘトヘトだよ。

身体ガクガクするわ。

「疲れたぁ~、永田のせいで倍疲れたぁ~!」

とすねていると、

「じゃあ貸せ…」

私から、もやしの袋を取り上げた。

もやし炒めは、結局永田が作ってくれた。

コイツが台所に立って作業する…。

何か…こういうのって。

キモチ悪いから何かイヤ!

永田、カッコいいから余計にイヤ!

いい男が家庭的だなんて、私の理想に反していて、この光景イヤ!

「塩と胡椒と…」

素直に嬉しいと感じられない私は微妙な態度を取っていた。

自分が作った味噌汁の味ばかりみていた。

「永田って、意外と家庭的ってやつ?」

私はそんな姿が、あまりにも不自然で。

「自分で俺は何でもやるだけだ」

「そっか」

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