きみと繰り返す、あの夏の世界


木造作りで畳の敷かれているこの海の家は、赤名君の親戚のもの。

本来なら、店主であるおじさんの仕事を、息子さんとそのお友達が毎年手伝ってくれていたらしいんだけど……

息子さんもお友達も、今年の春に上京してしまい、人手が足りなくなったらしい。

今日までどうにか奥さんやお友達に手伝ってもらってやってきたけど、今日だけはどうしてもおじさんしか店に出れないとのことで、赤名君にSOSが届いた、と。


おじさんは愛想が良く、ガハガハと豪快に笑う人で。


「真奈ちゃん、ヤキソバあがったよ! よろしくぅ~」

「はーい!」

「あー、水樹君。お冷、回ってくれるかい?」

「わかりました」


記憶力がいいらしく、最初の自己紹介の時に、私たちの顔と名前を一発で覚えてくれた。


お盆も過ぎたというのに、ビーチには結構人がいて。

おかげでお店もなかなか忙しい。

確かにこれは人手が必要になるなぁ……


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