きみと繰り返す、あの夏の世界

【Ⅵ】奇妙な現状



夏休み初日の今日は曇りで比較的涼しい。

その為、生徒会室は冷房を入れずに窓を開け、そこからの風で涼んでいた。


風が吹いて、緑の葉が揺れる。

サワサワとこすれ合う葉の音に混ざるのは、油蝉の声だ。

そして、時々聞こえる蝉の声に負けない程の元気な声を発してるのは野球部。


窓際に背を向けて座る私は、それらのBGMを聞きながら、目安箱の意見をまとめている最中だ。

水樹先輩は私の右隣で同じ作業をしているけど少し眠そう。

ふと視線を上げ周りを見れば、部屋の中心に向かい合わせに設置された長机に座るメンバーは
皆、それぞれの仕事に集中していた。


やがて、会長が顔を上げる。

彼の手にはプリントが1枚。


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