続・心友。~もうひとつの想い~
しばらく経って――
コツン、と何かが頭に当たり、堂前は目を開ける。
「大丈夫?」
まともに目の中をのぞき込むようにして、そう訊いてきたのはマリアだった。
鮮やかな笑顔。
さっきの泣き顔とのギャップに、堂前は目をパチクリさせる。
「立てるん?」
そう訊いてきながら、マリアは堂前の横にペタンと座り込んだ。
「ああ、うん……」
堂前も体を起こし、ふたり並んで座る。
「帰ろか」
「そやな」
そう言いながら、どちらともそのまま動こうとはしない。
コツンと、もう一度頭に硬いものが当たった。
「壊れたで」
見るとそれは堂前のメガネだった。