淋しいお月様
どうして間違ったのだろう……。

単純ミスとしか、いいようがない……。

私はうなだれてしまった。

社員さんは、強い口調で責めてくる。

「困るのよね、こういうミス。気を抜いてたでしょう?」

「……すみません」

「小さなミスが、大きなトラブルに繋がるの。顧客には上層部から改めてお詫びの電話を入れるから」

「……はい」

「反省してくださいね」

「はい。申し訳ありませんでした」

私は下唇をぎゅっと噛んだ。

……東京に来てから、何もいいことがない……。

涙が出そうだった。
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