淋しいお月様
「”東京のひと”あはは。天野さん、ガード堅すぎ。東京のひとだって、人間は人間だよ~」

手許のパックジュースにストローをさしながら、相田さんは笑う。

「そっか……」

「私だって、東京に住んで長いけど、地方出身だよ。本当の東京出身者よりも、地方出身者の方が多いんじゃないかな」

「そっか……」

「”そっか”ばっかり。あはは。天野さんって面白いね」

彼女はよく笑う。

まるセイゴさんと一緒だ。よく笑うひと。

私がおかしな言動をとっているから、笑われるのだろうか。

「いつもひとりで淋しそうだなって思ってたんだよ」

「私、友だちいないから……」

「じゃあ、私と友だちになろ」

「――☆」

私は目をぱちくりさせてしまっていた。
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