お姉ちゃんの憂鬱

「かなちゃんにだったらいくらでも束縛されたい!」


「うわぁどうしよう聖子さん。息子さんが立派に変態ですよ」


「もういっそ縛ってみたらいいんじゃない?縄とかで」


「物理的だなおい。あたしそんな新境地開拓する気ないですので、聖子さんに任せます」


「あたしがそんなことしたら法律的にお巡りさんに束縛されそうだからやめておくわ」


「それもそうですね」



誠に対して物理的な束縛とか言われてすぐに首輪とリードとか思ってないから本当に。

誰だそんな変態的な思考の持ち主は。そんなのは誠一人で十分だ。



「でも、束縛する男は嫌われるよ誠。そのうちカナちゃんにポイ捨てされるぞ」


「え、それは嫌だ!捨てられるとか本当に無理!」


「でもカナちゃんって結構自由人じゃん?そんな女の子を縛りつけるのは難しいぞー。ね、カナちゃん?」


「あたし自由人の自覚なかったんですけど、自由人ですか?」


「自由人ってか、自分がやりたいことはなんでもやるよね。意外と制止とかも聞かないし?」


「そんなことないですよー。まぁ、縛られるよりは自由に動き回れる方がいいですけど」


「…なるべく口出さないようにはしたいけど、たぶん無理なので頑張ってくださいかなちゃん」


「…誠には無理だろうね。まぁ、わかりきってるから今更どうもしないけど」



誠があたしにベッタリなことくらいわかっているのさ。

言ってて恥ずかしいけど。




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