お姉ちゃんの憂鬱

電車に揺られたどり着いた砂浜は、シーズン真っただ中ということもあり、人人人の大賑わいだ。



「直くん、迷子になんないようにね」


「お姉ちゃんは僕のことをなんだと思っているんですか。高校生にもなって迷子になんてなりませんよ」



おいどの口が言ってんだそれ。

修学旅行でお決まりのごとく迷子になったのはどこのどいつでしたっけ。



「香奈子、言いたいことは分かるが、今はやめておけ。完全にフラグだぞ」


「そして直江なら見事にそのフラグを回収して回るだろうよ」


「そうそう、それに直江くんは注意があってもなくても結局迷子になる時は迷子になるから」


「みなさんの信用のなさがつらい」




各々好き勝手に口を開くが、これはもはやいつものことなので気にしない。

というか気にしたら負けだ。




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