お姉ちゃんの憂鬱

さっきの強気な目とは違った、ちょっと不安げな目で問いかけてくる山城さん。



「いーよ?別に、誰と組む約束もしてなかったし。」



その顔がなんだか捨てられた子猫みたいで、ついほだされたあたし。

べ、別にしゅんとした顏がかわいいと思ったとかそういうんじゃないからな。



「やったー!お母さんゲットだぜ!」

「ゲットってあんたね…あ、じゃあ、同じ班になるからお母さんって呼ぶのヤメテな。」


「え、なんで!お母さんで良いじゃん!」


「絶対イヤ。せめてお姉ちゃんで。」


「それじゃーみんなとおんなじだからヤダ。」



なにその対抗心!かわいい!



「お母さん本名は?」


「知らなかったの?!」


「だってあんたあたしに関心なかったじゃン。隣の隣の席なのに挨拶もしてくれないしねー。来たばっかで不安いっぱいなのにねー。」



そ、それはそうだけど…いや、みんなに囲まれてて話しかけられなかったっていうのがあるからね。
断じて関心がないとかじゃないからね!




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