お姉ちゃんの憂鬱

高校二年の6月。

クラスに新しく編入してきた彼女はあまりに美人で、人の目を集めすぎた。


毛先にパーマがかけられたショートの黒髪。

二重のぱっちりな目は少しつりあがり気味だが、痩身ですらっと背の高い彼女のクールな雰囲気にピッタリはまっている。


どこか猫のような印象を受ける彼女の首にはいつも少しごつめのヘッドホンがぶら下がっていて、最近のあたしの関心はいつも何の曲を聴いているんだろうというところだ。


髪型と相まって甘すぎず、辛すぎず、中性的な美貌の持ち主。

それが、うちのクラスの編入生、山城まどかである。



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