お姉ちゃんの憂鬱

「メガネ先生。お姉ちゃんにだけお菓子をあげるなんてズルいです。ひいきです。」



最後までチョコたっぷりなお菓子を受け取っているのを見て我慢ならなくなったのか、覗くだけと言っていた直くんが突入してきた。




「そうだそうだーひいきだエロ教師ー」


「ちょ、直江くんもまどかも今入ったらこれから始まる禁断の恋が見られないじゃないの!」


「本村は何を求めてんだよ…」



直くんに続いてぞろぞろと登場するいつものメンバー。

本当にさぁちゃんは何を考えているんだ。



「お前らな……」


そんなみんなにメガネはお疲れ気味だ。



「先生ふぁいお。」


「三船は本当に感情のこもらないエールをくれるよな。そんなんじゃ先生頑張れないぞ。」


「ガンバ。」


「たいして変わってねーよ。なに、みんなに優しいお姉ちゃんは先生には優しくしてくれないんですかー?」


「失礼ですね、みんなに優しくなんてないですよ。あたしはあたしが世話を焼きたいと思った人にしか優しくしません。」


「そうか、それじゃあ俺は入れないわ。俺はどっちかというと甘えるより甘やかしたい派だからな。」



そして頭をポンポン撫でられた。
なるほどこれが大人の余裕というやつか。



「その情報すごくいらないですね。」

「まぁそう言うなって。」



頭に置きっぱなしだった手をわしゃわしゃと動かされる。

髪が乱れるじゃないの!





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