お姉ちゃんの憂鬱

目的地までの移動は、直くんのおかげで退屈することなく過ごすことができた。


いくら車両ほぼ貸切状態でもさすがに新幹線の中でカルタを広げるわけにはいかないので、カルタはホテルについてからのお楽しみということに。



もういっそクラスのみんなでカルタ大会とかすればいいと思う。

きっと岡部くんとかならノリノリで参加してくれるだろう。

やはり初日なだけあって、みんな何をするにも元気いっぱいだ。



一日目の活動をすべて終えて今日宿泊するホテルに到着すると、これまたみんなそろってそわそわワクワク。




「お姉ちゃん、探検してきてもいいですか?」


胡散臭メガネが部屋のカードキーを配る中、直くんがそんなことを聞いてきた。


「うーん、他の人の迷惑になっちゃうからなぁ」



さすがにホテルの中を騒がしく探検してほしくない。

このテンションの直くんなら余裕で迷子になりそうだ。



「…メグも探検行きたいとかそんな感じなわけ?」


「お、オレはそんなガキみたいなことしない」



とか言いつつさっきからキョロキョロ目移りしているメグを見て、普段のクールなメグを知っている分可愛いと思ってしまった。

ギラギラしていても探検とかは好きなんだなあ。




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