Love their
「祝い?」



へ?何の…?


記念日やら誕生日やら思い当たる節がない。


考え込むレイにいつの間にか空になったジョッキをテーブルの通路側に置いてサトルが浅く睨みながら言った。


「俺の」


「俺の何?」


何だろう。考えれば考える程まったく思いつかなかった。


薄いカーテンで仕切られた通路に歩く気配をを見つけたサトルは店員を呼び入れ、空のジョッキを手渡しジェスチャーで追加と指さしながら言った。



「俺の、快気祝い、だろ〜!」


「へ?」


「ほら、今日の診察で病院終わりだろ?だから、快気祝い」


「今日で終わりなの?」


「そ。もう来なくていいって」


サトルは嬉しげに言って飲み足りないのか、レイのジョッキを手に取り一口飲んで笑った。


「そっか…終わったんだ。おめでと」


「だから〜ちょっと付き合って欲しいから頼んだけど、要らないなら飲むよ」


サトルはそう言ってレイのジョッキをそのまま自分側に置いた。


「いや、飲むし。っていうよりサトルこそ飲み過ぎちゃ駄目じゃないの?」


目を細めながら奪われたジョッキをこちら側に取り戻す。


サトルはバツ悪そうに目を反らした。
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