Love their
一言で言えば、顔立ちじゃないが端正な字であった。


上から順番に見て、最後の段にある医師のサイン。




―三浦貴哉



書き慣れたであろう癖のあるサインと印。



彼の直筆…。



記入された内容よりもそんな所ばかりが目についた。


日付はサトルが退院した日。



恐らく渡しそびれ、いやきっとサトルが受け取るのを忘れていたか…。




彼の顔が頭に浮かんだ。



この時はまだ私の事を知らなかったんだろうか?



そんな事を思いながら、その用紙の筆圧を撫でるように持つ指で彼の書いた字をなぞった。



じっと用紙をみつめるレイに検査結果の詳細を事細かに説明するサトル。



さらっと流して聞いていたが、彼の受け入りだろう。自慢することではないだろうに得意気な口調だ。



彼の書いた一つ一つの文字にまで惹かれるものを感じてしまった。


彼の雰囲気と良く似たスラッとした細い線。


字は人を表す、と言うけどこうもしっくり来るものなんだろうか。



「…で、油物とかさ注意しないといけないみたいで…って、おい、聞いてた?!」


「え?あ、うん…」


サトルに念押しされて思わず我に返った。
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