涙の桜
オツカイバナ
私は少しだけ恋に臆病になっていた。

そして信じられなくなっていた。

心の奥に塞ぎ混んだ闇。

その闇をたまに思い出すときがある。

思い出したくもないのに思い出してしまう。

多分それは心の病なのかもしれない。

でも君にもう一度だけ出会えたことで

君といるだけでとても幸せな気持ちになり

忘れることができるんだ。

水族館の青い照明の中で自由に泳ぎ回る魚。

愛らしい可愛いペット。

見ているだけで落ち着く空間。

本当にどうしようもなく思い出してしまうとき

そんなときに君のことを考えると

落ち着くんだ。

君は僕の心に光をくれる。

僕は君の光で元気になれた。

内気で人に相談することのない僕は

闇と1人で立ち向かってきた。

けれどそーと君が傷を癒してくれてたんだ。

それは魔法のように

気づいたときには闇はもう消えていた。




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