社長に求愛されました


ギャンギャン言い合っていた篤紀とちえりの会話に涼しい顔をして入ってきたのは綾子だった。
にっこりと微笑んだ綾子が、ちえりを見て言う。

「私、何着か持ってるから貸してあげる」
「じゃあ俺が明日、井上んちに寄って服借りてちえりんちに行くから」

それでいいなと言われてしまうと、それ以上断りようもなく。
到底、バイトの仕事だとも思えないのだが……いつもよくしてもらっているだけに断れない。

ちえりは諦め、はい……と小さく頷いてから、綾子にお礼を述べたのだった。



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