Kissから始めよう
そう。


恋愛してみないか、と尋ねられて戸惑いながらも嬉しかったのだ。


30にもなっておひとり様の自分に向けられた優しい好意。


「だから雄輔さんを好きになるのに時間なんかかからなかった。
あっという間に恋に落ちて、嫌われるんじゃないかって不安になるくらい。」


「嫌いになるわけないだろ。俺だって今朝自己嫌悪だよ。」


再び車を発進させ、前方を見ながら話すその横顔を眺める。


「好き過ぎて欲しくて堪らないクセに、いいカッコして我慢してたから止まらなくてさ。」


少しだけ赤くなる頬。
あ、なぁんだ。私だけがむず痒いような恥ずかしいような、そんな感じなのかと思っていたけど。


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